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【栃木】ヤングケアラー支援 | 今夏5万人に実態調査 県内の動向は

【栃木県】ヤングケアラー支援 | 今夏未成年5万人に実態調査 県内の動向は
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今年の夏に、県内5万人を対象とした実態調査を予定している栃木県。本日お届けするのはその栃木県内の支援に関する動向です。最後には県内の支援者からのメッセージもお届けします。「支援体制を整えるのも大切。でも本当に大切なモノは大人の〇〇。」現役介護者や支援者など、立場関係なくご覧頂きたいメッセージです。それでは参ります!

目次

【栃木】ヤングケアラー支援 | 自治体や民間団体の動向は。

【栃木県】今夏、実態調査へ。県内の18歳未満5万人が対象。

対象者は県内の学校に通う児童生徒(小5・中2・高2)が対象となります。公立校だけではなく、私立校に在学中の子どもも対象になります。今年の2月頃には報道が出ていましたのでご存知の方もいらっしゃると思います。

7月の初旬〜中旬ごろまでに学校の授業内で、オンライン形式(タブレット)で実施される予定となっており、スケジュールを考えるとそろそろ質問項目も決まっている頃かと思われます。無記名で実施されますので、伝えたいことをどんどん書き出して頂きたいと思います。

このアンケートの質問項目をはじめとした県内の支援体制の方針は栃木県ケアラー支援に関する有識者等意見交換会にて検討されています。

栃木県内の各種相談窓口 [ icon icon-pen]

【佐野市】県内初 「ヤングケアラーコーディネーター」配置

栃木県佐野市
佐野ラーメン

さて、〈ヤングケアラーコーディネーター〉とは、いったいどんな方なんでしょう。

ヤングケアラーコーディネーターは、学校を始めとする関係機関や地域住民の方が、ヤングケアラー(ヤングケアラーと思われる子どもを含む。)を発見した際、どこに相談したらよいかわらかないといった場合に相談をいただくことで、市町村等の適切な相談窓口や関係事業所を紹介・調整いたします。また、市町村等ヤングケアラーを支援している関係者の求めに応じ、ヤングケアラーへの支援方法等に関する技術的助言も行っております。

北海道庁「ヤングケアラーコーディネーターを配置します」(27,May,2022更新)

ちなみに、佐野市はヤングケアラーコーディネーターの配置のために国の補助金を活用しています。

4行に及んでしまいましたので、少し整理していきましょう。

何をしてくれる人ですか?

こんなことをしてくれます。

  • ヤングケアラーの支援方法について相談に乗ってくれます。
  • その子の状況にあった相談窓口や支援を紹介してくれます。
  • その子が必要な支援を受けるための準備(=調整)をしてくれます。
誰の相談に乗ってくれますか?

みんなの相談に乗ってくれます。

  • 子ども本人
  • 学校関係者
  • 自治体関係者
  • 子ども等を支援している民間団体
    ・・・・・・・など

東京新聞の写真の男性に見覚えがある方がいらっしゃるかもしれません。元は小学校の校長先生で、2022年4月に佐野市のヤングケアラーコーディネーターとして着任された方です。

【那須塩原市】「那須塩原市ヤングケアラー協議会」設置

栃木県那須塩原市
那須塩原市(緑の部分)

栃木県の最北部に位置する街ですね。
東北新幹線や東北本線の接続駅となっている〈那須塩原駅〉は那須塩原市内に存在します。

私は冬を越す自信がありません。

ここでご紹介する「那須塩原市ヤングケアラー協議会」は、那須塩原市内の民間団体です。毎月第3火曜日の夜に開催されている協議会。市内在勤の様々な立場(元ヤングケアラー・医療・福祉・行政等)の支援者が参加しています。

活動内容

  • ヤングケアラー支援の動向に関する情報共有(協議会内にて)
  • ヤングケアラーに関する普及啓発活動(生徒・学校関係者・自治体関係者等を対象)
  • 市内在住・在勤の方からの相談への対応
    ・・・・・・など

ヤングケアラーに関する普及啓発活動の一環として生徒・学校関係者等への説明会も実施しているそうです。また、栃木県が設置した有識者会議(栃木県ケアラー支援に関する有識者等意見交換会)へ協議会のメンバーを派遣しています。

ちなみに、皆さんからの相談に乗ってくださるのは各種専門職(医療福祉関係)の方。相談は無料で、秘密を守る義務(守秘義務)がある方が対応してくれています。

この協議会、実は参加する支援者にとっても大切な会のようです。
その辺りは次の項目でお話ししていきますね。

【参加報告】那須塩原市ヤングケアラー協議会

【概要】第15回那須塩原市ヤングケアラー協議会

当ホームページを経由してご招待頂き、第15回那須塩原市ヤングケアラー協議会に参加(オンライン)してきました。本当は現地まで行きたかったのですが、色々な都合で断念。ここではその参加報告を致します。

嬉しいですねぇ・・・ご招待頂くなんて・・・

この日は、毎月第4日曜日に開催している〈ヤング&若者ケアラーズサロン〉他、様々な啓発活動に関する情報共有とグループワークが行われました。この日のグループワークのテーマは〈医療機関と地域との連携〉。2022年4月の診療報酬改定でヤングケアラー支援に関する項目が追加されていますので、興味がある方も多い話題かと思います。

(診療報酬改定とヤングケアラー支援の話題については、「【病院】令和4年度診療報酬改定 | ヤングケアラー支援に報酬算定へ。」にてご覧頂けます。)

私は医療機関と地域の両方で勤務していましたので両方の立場をある程度理解しているつもりですが、病院に問い合わせるというのはたとえ専門職種であったとしても中々ハードルが高い行為です。

ハードルが高い理由
  • どこの部署に問い合わせたら良いか分からない。
  • 一部病院スタッフの地域連携への理解の無さ。

他にも理由は色々あると思いますが、このあたりが主な理由です。

「病院なら相談室で良いんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、相談室が全てのケースを把握しているわけではない為、看護師さんに問い合わせる方が良い場合もあります。

考えてみてください。真剣に相談窓口を考えた結果、間違った部署に連絡してしまった上に電話口に出たのが地域連携に無理解なスタッフだったら。私は、怖いです。

元病院職員の立場での個人的見解ですので、ご容赦ください。

ただし、そんな状況でも相手方に知り合いがいれば話は別。相談を持ちかけるまでのハードルが一気に下がります。那須塩原市ヤングケアラー協議会は、外部への普及啓発活動だけではなく〈支援者同士の知り合いを増やしたり、支援者が気付きを得たりする場所〉としても機能しています。

「1人で考えると思うと絶望する。一緒に悩んでくれる人がいるから頑張れる。」

那須塩原市ヤングケアラー協議会メンバー

これは、協議会に参加していた方の言葉です。
〈一緒に悩んでくれる人〉とは協議会のメンバーの皆さんのこと。

ヤングケアラーへの支援のためには、やはり支援者への支援も重要です。

「大切なのは大人の〇〇」の答え

冒頭に書いた「支援体制を整えるのも大切。でも本当に大切なモノは大人の〇〇。」という文章。〇〇に当てはまるのは、気付きと理解です。どんなに立派な体制を整えても、運用する側の理解が追いつかなければそれを活用することができません。

また、少し話が変わりますが一歩踏み込むことの大切さについても話し合われました。ヤングケアラーの支援をした医療機関に報酬が出るようになったことについては前の項目でご案内した通りですが、その動向を踏まえて協議会内で上がった話をご覧ください。

支援内容(例)
  • 相談窓口に関する情報提供をした。
  • 関係機関と、子どもに関する情報共有をした。

※これらは支援内容の一例です。

この時「〇〇に行ったら相談に乗ってもらえるよ」と言われるだけの場合と、病院で〇〇のスタッフ(地域包括支援センター等)に一緒に話を聞いてもらうのと、どちらが支援につながりやすいでしょうか。もちろん、子ども自身がどこまでの支援を望むか、支援者の判断でどれくらいの支援が必要かにもよりますが、後者の方が圧倒的に支援につながりやすいと考えられます。

大人の理解と気付き、そして一歩踏み込んだ対応の大切さを改めて実感した次第です。

6月20日の澪

メッセージ | 那須塩原市ヤングケアラー協議会の方より

今回私を協議会にご招待くださった方から、那須塩原市の皆さんへのメッセージを頂きました。

あなたの、家族を大切に思う気持ちは大切ですが、自分を大切に思う事もそれと同じくらい大切です。

もし、これからあなたの生活が変化してこれまで通りにケアをするのは難しくなった時、私たちは自分の生活も大切にできるような選択肢を地域で作っていきたい思っています。みなさんのそれぞれのこれからの生活を一緒に考えていきましょう。

那須塩原市ヤングケアラー協議会は、栃木県の有識者会議への協議会メンバー派遣を通して、栃木県全体の支援体制強化にも取り組んでいます。一筋縄ではいかないことも多くあるかと思いますが、ケアをする方にとって過ごしやすい街になるよう願っております。

いかがでしたでしょうか。お問い合わせ等は「お問い合わせ」ページより承っております。

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この記事を書いた人

当サイト管理者/救急車が来る病院で入院患者さんの退院先の調整をしていました。(脳外・整形・呼吸器内科)/高2〜大2まで祖父母の介護。平成初期生まれ  #ヤングケアラー

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