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【防災】熊本地震 | あれから6年。高齢者が備えるべきモノは何?

熊本地震から6年。高齢者が備えておくべきものは何?
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熊本地震(平成28年発生)から、6年目となる年を迎えました。前回(【熊本地震】あれから6年。あの日何に困り、何が必要とされたのか。)は発災直後に困ったことを取り上げ、それに対して取り得る対策を考えました。2回目の今日は、高齢の方の荷造りをテーマにお話しします。(被災地の写真は使用していません。)

目次

【全年齢ver.】防災用品 | 何をどれくらい備えるか。

前回は首相官邸が公表している情報をもとに、誰にでも共通する持ち物をざっくりとご紹介しました。

こんな感じ

  • 飲料水、食料品(最低3日分。1人1日3ℓ目安。)
  • 貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)
  • 救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
  • ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手
  • 懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器
  • 衣類、下着、毛布、タオル
  • 洗面用具、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯トイレ

最低でも3日分。可能であれば7日分が望ましいとされています。3日というのは「72時間の壁」からくる3日です。発災後72時間は人命救助が最優先になり、各種物資の管理までは手が及ばないと考える必要があります。また、7日間というのは東日本大震災のように被害が広域に渡った際を想定した日数です。

〈懐中電灯・携帯ラジオ・充電〉と並ぶと、手回し式の多機能ラジオを想像する方がいらっしゃると思います。

私は小さい頃筋トレと称して手回し式充電器をぐるぐる回し続けさせられたことがありますが、本当に筋トレになってしまいました。あれは充電という観点では大変コストパフォーマンスが悪い物です。私たちは避難をするのであって筋トレに行くわけではありません。ラジオや懐中電灯としては役立ちますが、充電器としては乾電池式の物を用意する方が無難です。

落ち着いてから持ち出す用として小型発電機があると尚良いでしょう。

ここからは、前述の荷物に加えて高齢の方(自力で歩ける方)に特化した荷造りの話をしていきます。

【高齢の方ver.】防災用品一覧 | 持ち出すべきは?注意すべき点は?

持ち出し用の荷造りのポイント

  • 出来るだけ軽く、運びやすく。
  • 出来るだけ水を使わない手段を選ぶ。
  • 貴重品を間違いなく持ち出す。

この3点をどのように実現するか考えていきます。

【#1】出来るだけ運びやすく。

出来るだけ運びやすくするためには、持ち出し用カバンの形状から検討する必要があります。ここでお勧めしたいのはリュックにもキャリーケースにもなる物です。

悪路や寒い中、具合が悪い時に避難するかもしれない。そう考えると、ずっとリュックを背負って歩き続けるのは現実的ではありません。基本的にころころ転がして歩き、足元が悪い時だけ背負ったり持ち上げたりする方が得策です。

また、雨や雪の中の避難に備えて防水機能を備えたリュックにしておく必要があります。防水スプレーを吹きかけるという案も聞きますが、せっかく用意した物が吹きかけ忘れたところから浸水することは防ぎたいものです。

リュック選びのポイント
  • 防水機能があるもの
  • リュック・キャリーケースになるもの
  • 反射板が付いている(付いていない場合はリュックの肩紐と、リュック本体に付ける。)

ここからは発災当日に持ち出すべき物を考えていきます。

参考

  • 具体的に何を用意しようか。
  • キャリー付きリュックって・・・?

そんな方はぜひこちらもご覧ください。

【# 2】持ち出し品を厳選する。

私の祖父が消防団で聞いてきた荷造り方法をご案内します。
持ち出し用・備蓄用・持ち歩き用を分けて荷造りします。

  • 持ち出し用:発災直後に持ち出す物
  • 備蓄用:すこし落ち着いた後に家に戻って持ち出す物
  • 持ち歩き用:普段から持ち歩く物

【持ち出し品】

  • 持病の薬(定期内服・頓服。持ち歩き用の残り)
  • お薬手帳(普段から持ち歩く)
  • 老眼鏡・眼鏡
  • 成人用おむつ(1日分。普段使っていなくても。)
  • 歯磨きシート(歯磨き粉は水を使うためシートで。)
  • 入れ歯洗浄シート
  • ウェットシート(ノンアルコール)
  • 折りたたみ式ステッキ(普段使用していなくても。)

備蓄用

  • 成人用おむつ(3日〜7日分)
  • 歯磨きシート
  • 入れ歯洗浄シート
  • ウェットティッシュ・手指消毒用アルコール

どうしてもおむつに抵抗がある場合は、簡易トイレを多めに備えておく方法もあります。

持ち歩き用

  • 持病の薬(1〜2回分。定期・頓服。)
  • お薬手帳等各種手帳(ペースメーカー手帳等)
  • 保険証・介護保険被保険者証
  • 公的機関発行の顔写真付き身分証明書
  • 各種受給者証(病院受診時に提示している紙)

〈memo〉
この話は「【全世代へ】緊急時の為に準備しよう。|何が欲しい?なぜ欲しい?」でも少し取り扱っています。保険証と身分証明書は兼用で良いのでは?と思う方もいらっしゃるかと思います。

しかし緊急時に重要なのは、「自分が自分であることを自分以外の人間が証明出来るか」という点です。そう考えると、公的機関発行の顔写真付き身分証明書(運転免許証・運転経歴証明書・パスポート・マイナンバーカード ・各種福祉手帳等)を持ち歩くことが必要です。被災した際、自分が自分であることを証明できれば銀行印や通帳がなくてもお金を引き出せます。

顔写真付き身分証明書がない場合は、作る(マイナンバーカード ・パスポート・運転経歴証)ことも方法です。それが難しい場合は、いわゆる2点確認(ex:健康保険証と介護保険被保険者証)の要領で準備しましょう。

また、中々普段飲んでいる薬の名称や用法容量を正確に答えられる方はいませんので、必ずお薬手帳を携帯するようにしてください。

手回し付き充電器で私に筋トレをさせた祖父は、運転経歴証明書の他にも証明書をいくらか持っていましたので公的機関発行の顔写真付き身分証明書(免許証・パスポート・身体障害者手帳・小型船舶操縦免許証・無線従事者免許証等)には事欠きませんでした。「そんなもの無いよ・・・」と思った方。本当に無いか上のリンク(浜松市公式HP)から確認してみませんか?意外なものが該当するかもしれません。

ここで取り上げたものの他に、ご自身の病状や生活習慣等に合わせて荷造りしてみてください。

荷造りポイント
  • 持ち出し用・備蓄用・持ち歩き用に分けて荷造り。
  • 出来るだけ水を使わないで済む手段を検討(歯磨きシート等)。
  • 出来るだけ軽く、出来るだけ運びやすく。

【参考】

首相官邸:「災害の備えチェックリスト」(16,Apr,2022取得)
高齢者以外の持ち物チェックリストもありますのでぜひご覧ください。

【逃げ遅れ対策】自力での避難が困難な方へ -避難行動要支援者-

災害時に、自力での避難が困難な方(避難行動要支援者)の避難誘導を支援する仕組みがあります。今回はその対象となる方や仕組みの中身を説明していきます。

避難行動要支援者とは

  • 寝たきりの方
  • 足が不自由な方
  • 妊娠中の方
  • 慢性疾患がある方
  • 判断や理解に時間がかかる方(認知症・知的障害等)
  • 日本語が分からない方
  • 視聴覚に障害がある方 ・・・・・・等

該当する条件はありましたでしょうか。

平時に避難行動要支援者の名簿を作り、その方々の個別避難計画を立てて有事に備えるという仕組みです。この名簿への記載を希望する場合は、お住まいの自治体への申し込みが必要です。

名簿の活用方法

災害発生に備え、地域の支援者(自治会など)に災害時避難行動要支援者名簿の情報を事前に提供し、災害時の避難支援や日ごろの防災活動に活用します。

浜松市公式「災害時避難行動要支援者名簿への登録を受け付けています」(11,Apr,2022更新)

このように書かれているわけですが、提供される情報の中身が気になる方も多いと思います。どんな情報が提供されるのか見ていきましょう。

提供される情報
  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 住所
  • 電話番号
  • 支援を要する理由
  • その他避難支援に必要な情報

計画を立てていても、災害の規模次第では予定の支援が受けられない可能性があります。しかし、名簿に載らないよりは支援を受けられる可能性があります。名簿に未記載で避難が不安な方は登録を検討してみてはいかがでしょうか。

いかがでしたでしょうか。お問い合わせ等は「お問い合わせ」ページより承っております。

熊本地震から6年。高齢者が備えておくべきものは何?

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この記事を書いた人

当サイト管理者/救急車が来る病院で入院患者さんの退院先の調整をしていました。(脳外・整形・呼吸器内科)/高2〜大2まで祖父母の介護。平成初期生まれ  #ヤングケアラー

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