先日ご紹介した難病医療費助成制度(【元MSW解説】難病になった時|もらえるお金は?使える仕組みは?)や自立支援医療制度(【障害】自立支援医療|使い方から対象まで、わかりやすく解説します。)にも関連する〈小児慢性特定疾病医療費助成制度〉の話です。それでは参りましょう。
【小児慢性特定疾病医療費助成制度】概要編
どんな制度?
小児慢性特定疾病にかかっている児童等について、健全育成の観点から、患児家庭の医療費の負担軽減を図るため、その医療費の自己負担分の一部が助成されます。
小児慢性特定疾病情報センター「小児慢性特定疾病の医療費助成の概要」 (5,Dec,21取得)
該当の疾患を抱えるお子さんの治療には長期に高額な医療費がかかることが予想されます。〈小児慢性特定疾病(しょうにまんせいとくていしっぺい)医療費助成制度〉は、その対策として作られた費用軽減のための制度です。自己負担額は保護者の年収によって決まります。
※原則、対象は18歳未満。継続治療が必要な場合は20歳未満まで継続可。
【小児慢性特定疾病情報センター】
厚生労働省の事業の中の1つとして国立研究開発法人国立成育医療研究センターが運営している小児慢性特定疾病に関する情報をまとめているサイトです。〈患者・ご家族の皆様へ〉〈教育関係者の皆さまへ〉〈行政機関の皆さまへ〉〈医療従事者の皆さまへ〉
自己負担額について
対象はだれ?
当該疾患をおおまかに分類すると以下のようになります。
- 悪性新生物
- 慢性腎疾患
- 慢性呼吸器疾患
- 慢性心疾患
- 内分泌疾患
- 膠原病
- 糖尿病
- 先天性代謝異常
- 血液疾患
- 免疫疾患
- 神経・筋疾患
- 慢性消化器疾患
- 染色体または遺伝子に変化を伴う症候群
- 皮膚疾患
- 骨系統疾患
- 脈管系疾患
【具体的な疾患名について】
すべて書き連ねると大変な量になりますので、リンクの添付にて代替致します。該当疾患は「小児慢性特定疾病の対象疾病リスト(小児慢性特定疾病情報センター)」からご確認頂けます。厚生労働省のホームページには、疾患名は小児慢性特定疾病情報センターにて確認頂きたい旨記載があります。
助成してもらえる範囲は?
- 指定医療機関(病院・診療所)での治療にかかる医療費
- 薬局での保険調剤
- 訪問看護料
※対象は保険診療のみ。
※指定医療機関一覧「自治体別指定医・指定医療機関(小児慢性特定疾病情報センター)」
【小児慢性特定疾病医療費助成制度】申請編
必要書類
【提出書類(例)】
- 小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書
- 医療意見書(指定医作成の診断書のこと)
- 家族全員の健康保険証の写し
- 申請者のマイナンバーカード ・・・・・・・・・・等
マイナンバーカード等、用意できないものがある場合は自治体担当課へご相談ください。尚、助成開始日は、申請日までしか遡れません。書類の用意が出来次第早急にご提出ください。医療意見書の作成に時間を要するなど、申請に支障が出ている場合は書類が用意できていなくても自治体担当課へご相談ください。
参考
申請方法
意見書はどの先生でも書けるわけではありません。書ける先生〈指定医〉と診療を行える〈指定医療機関〉を以下リンクよりご確認ください。全国の指定医・指定医療機関(小児慢性特定疾病情報センター)
助成金制度利用可否・利用できる場合の助成金額が決まります。
結果とともに、利用対象となった場合は〈受給者証〉と〈上限管理票〉が届きます。この2つは受診・薬局等の場面で必ず担当者にご提出ください。(受付事務員等)
受給者証到着前に治療が始まった場合
通常、受給者証と上限管理票を提出することで費用の助成を受けていることを示します。しかし、中には受給者証到着前に治療が始まる場合があります。受給者証・上限管理票到着前に当該疾患の治療に対して医療費が発生した場合、償還払いの申請ができますので、〈病院、診療所、薬局、訪問看護ステーション〉の領収書を必ず保管しておいてください。申請窓口(自治体担当課)へ申請方法をご確認ください。以下に償還払いの参考資料を添付致します。(千葉県船橋市:5,Dec,21)
【関連事業】日常生活用具給付事業について
事業概要・対象者
日常生活を営むのに著しく支障のある在宅の小児慢性特定疾病児童等に対し、日常生活の便宜を図ることを目的として、次の用具を給付しています。本事業に関するお問い合わせは各自治体までお願いいたします。
小児慢性特定疾病情報センター「日常生活用具給付事業について」(5,Dec,21)
条件・対象者
- 小児慢性特定疾病医療受給者証を所持していること。
- 対象となる種目毎の対象者欄の要件に該当すること。
以上2つに該当するお子さんに対して、用具購入費用の一部を助成するという事業です。
どんなものが対象になるの?
- 歩行支援用具
- 入浴補助用具
- 車いす
- 頭部保護帽
- パルスオキシメーター
- 電気式たん吸引器
具体的な用具の名称や詳細の要件については「対象となる種目と対象者」(小児慢性特定疾病情報センター)にてご覧頂けます。保護者の収入によって助成される費用が変わります。現状が申請要件を満たすかどうか、あらかじめ自治体担当課へお問い合わせください。

本日のポイント |
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小児慢性特定疾病医療費助成制度は、書類が整い次第すぐに提出。書類の用意に時間がかかりそうな場合は、揃うのを待たずに申請タイミングを自治体担当課へ相談。 |
小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象者は、〈日常生活用具給付事業〉の対象となる可能性あり。 |
小児慢性特定疾病医療費助成制度の医療意見書(主治医の診断書)は書ける先生、書けない先生がいるため、あらかじめ確認が必要。 |
小児慢性特定疾病医療費助成制度は指定を受けている機関でしか利用できないため、あらかじめ確認が必要。 |
いかがでしたでしょうか。ご質問等は「お問い合わせ」ページにて承っております。