転院時の段取りで悩まれている方を時々拝見します。本日は、そんな皆様の為に元MSWが解説致しますのでどうぞご査収ください。それでは参りましょう!
転院日は急に決まる。だから心の準備を。
急に決まることが多い転院日。
条件はこんな感じです。
- 平日時間内
- 午前転院
- 先方指定の日時
最短は、中1日あけて次の日。
ex.月曜日の連絡で、転院は水曜日。
【memo】
どうしても都合が悪ければ、日程再調整は可能です。ただ、次にいつ順番が回ってくるか分からないので出来るだけその日で行くのがベター(特に回復期リハビリテーション病院への転院待ちなど)。介護保険の調査と転院日にちが被った時は転院を優先させる場合が一般的です。(介護保険の調査を優先させる場合もあるので、担当の相談員さんとご相談ください。)
どんな転院先があるかご存知ですか?
〈回復期・地域包括ケア病棟・療養型病棟〉
【元MSW解説】病院の種類・役割、入院期限。お答えします。
【元MSW解説】療養型病院とは|費用は?対象は誰?選び方は?
〈介護医療院・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設〉
【元MSW解説】入所費用|相場は?入所前に確認するべき点は?
〈グループホーム・有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅〉
【元MSW解説】入所費用|平均は?安く出来る方法とその申請方法は?
新人MSWさん向け。
介護保険調査が滅茶苦茶に混むことがあります。特に真夏と真冬。ようやく決まった調査日と転院日が被った時、調査を優先させる場合があります。特に、相手方での入院期限が決まっているような場合です。60日(地域包括ケア病棟)や90日など、できるだけ早く認定結果が欲しい場合ですね。皆さんの所属機関の稼働率次第にもなりますが、可能な限りそのあたりを配慮できると良いと思います。
【準備編】転院までに確認すること。
以下、一般例をご紹介します。
服装の確認
転院日当日、何を着て行くかですね。
【比較的動きが多い生活をする方】
着脱しやすいズボン(ジーンズ・スカートは控えましょう。)がお勧めです。上着は、前開きで余裕があるもの。リハビリ転院などは、特に着替える回数が増えます。質より量で揃えましょう。看護師さんに何を用意したら良いか相談するのも◎。看護師さんが1番ご本人の様子分かってくれています。
【ベッド上での生活が多い方】
転院先からあらかじめ服を渡されて、それに着替えて転院というパターンもあります。特に指定がない場合はご自宅で使っていた寝間着や浴衣のような負担なく着やすいものがお勧めです(病院の売店や自動販売機で購入できることも)。ドアtoドアで外気や人目に触れる機会もあまりありません。転院後に衣類を着替える可能性もありますので、移動時は掛け物(ブランケット・毛布等)で調整するとご本人の着脱の負担軽減を図れます。
持ち物
- 保険証(介護・医療)
- 受給者証(限度額適用認定証等)
- あらかじめ指定されたもの
- ベッド回りのもの
- 転院元の病院から渡されたもの(紹介状・看護師記録・リハビリ技師記録・各種データがメイン。何も言わなくても病院側が用意するところがほとんどです。)
- 場合によっては保証金(敷金・礼金的イメージ)
大体こんなところです。
【memo】
身の回りのものは、転院元の病院で使っているものをそのまままとめて持っていって頂ければ良いです。たくさん揃えて使えないともったいないので、行った先で何を揃えるかご相談頂くことをお勧めします。あらかじめ聞ける機会があれば聞いてみましょう。
入院費の額
会計の事務の方、病棟のスタッフさん(看護師さん・事務の方)、担当の相談員さんあたりで聞きやすい方にお問い合わせください。カード払い可の病院がほとんどですが、中にはカード不可の病院もあると聞きます。対応している支払い方法も確認しましょう。
移送方法
- 自家用車
- 介護タクシー(車椅子/ストレッチャー)
- 退院先からのお迎え(車椅子/ストレッチャー)
大体この3択です。どれで行くのが望ましいかは看護師さんがよく分かります。「家の車で行けますか?介護タクシーの方が良いですか?」とご確認ください。
タクシーを使うときの確認事項
- 車椅子/ストレッチャー (病棟看護師)
- 費用・支払い方法(タクシー会社)
- 同乗者が必要か(タクシー会社)
- どこでタクシー会社と落ち合うか(タクシー会社。病室まで来てくれることが一般的です。)
同乗者が必要な場合の方が多いようです。また、費用については介助料が含まれる為、通常のタクシーより高くなります。タクシー会社への確認が重要です。カード払い不可(現金のみ)のタクシー会社さんもありますので、その辺りもタクシー予約時に確認しておきましょう。
タクシーの予約方法
介護タクシーの会社へ連絡。
以下項目を伝えてください。
- 転院日
- 出発地
- 到着地
- 到着時刻
- 車椅子/ストレッチャー
- 同乗者人数
介護タクシーはとにかく混みます。転院日が決まり次第、大至急タクシーを手配しましょう。介護タクシーについては、インターネットにも情報が掲載されていますし、病院の相談室(名称例:医療福祉相談室・患者支援センター・地域連携室等)でも教えてもらえる場合があります。担当の相談員さんがいなくても介護タクシーに関する情報提供はしてもらえます。
【memo】
どうしてもタクシーが捕まらない場合は、大至急担当の相談員さんへその旨連絡をお願いします。到着時刻を多少前後するくらいなら目を瞑ってもらえる場合もあります。担当の相談員さんの指示を仰いでください。また、都道府県境を越えるような長距離の移動でも対応してくれるタクシー会社さんもあります。在職中、静岡から富山や神奈川、千葉へ移送して頂いた経験もあります。その辺りも担当の相談員さんとご相談ください。

その他
私が病院在職中は、前日までに洋服をご持参頂くことを勧めていました。(当日、ご家族が到着していなくてもご本人の用意が進められます。)また、当日病院(入院中)到着時にまず向かう場所の確認も必要です。
【当日編】出発〜退院先にて
段取り(一般例)
退院前に支払いです。支払い困難な場合は会計担当者とご相談ください。
紹介状・看護師記録・リハビリ技師記録・薬剤情報等の各種データがメインです。
大体病室へ迎えに来てくれます。タクシー会社さんもお忙しいので、定刻で出発できるよう用意しましょう。万一到着が遅れそうな場合は退院先相談室へ一報を入れましょう。
到着時に色々な聞き取りや説明がある場合もあります。半日くらいかかる場合もあるようです。転院日は1日かかるつもりでいましょう。退院先に到着したら、受付で対応してくれる場合が多いようです。「今日入院/入所の〇〇です。」とお伝えください。



昨日は緊張で寝られなかったという方もいらっしゃるかもしれません。今日はどうぞゆっくりお休み下さいね。
支払いが大変・・・そんな時。
転院した月は他の月より費用が高額になる場合がほとんどです。不安があれば、まず相談。「【元MSW解説】入院費|いくらになる?払えない。そんなときの対処法。」では、相談の持ちかけ方を案内しています。
高額になった時の対応と、限度額適用認定証(本記事2-2にて紹介)については「【医療費が高くなった方へ】払いすぎた医療費、取り戻せていますか?」でご案内しています。また、社会保険加入中で入院中/継続的に通院中の方は「【在職中の方へ】傷病手当金のご案内|もらえる期間は?対象はだれ?」もぜひご覧ください。生活費の不安を軽減できるかもしれません。
今日のポイント |
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転院日は急に決まります。出来ればあらかじめ持ち物確認・準備を。 |
転院日が決まり次第、【移動方法・入院費・洋服】の確認/手配をします。 |
転院日には出来るだけ他の予定を入れないようにしましょう。 |
いかがでしたでしょうか。ご質問等は「お問い合わせ」ページより承っております。無事目的地に到着出来ることを願っております。