先日のツイートで療養型病院の話をしたところ盛況でした。その訳は、ニーズはあるのに、費用があまりにも高すぎるから。そんなわけで、本日は療養型病院の費用・対象者・選び方について解説します。
療養型病院とは。対象は?
- 治療を終えた後も引き続き医療行為が必要な方を受け入れます。
- 費用形態が急性期病院(救急車が入る病院)と異なります。
- 積極的な治療は行いません。
- 入院期限はありません。
- ご自宅療養中の方も受け入れます。
詳しくは「【元MSW解説】病院の種類・役割、入院期限。お答えします。」でも解説しています。
今日取り扱うのは、2個目の【費用形態が異なります。】という点です。
【療養型病院以外の病院の入院費】
※70歳以上の方は、「【元MSW解説】」入院費|いくらになる?払えない。そんな時の対処法」でご案内しています。
※70歳未満の方は、「【70歳未満の方必見】元MSWが入院費の計算方法を教えます。」でご案内しています。
療養型病院の費用は?

療養型病院って聞いたことありますか。医療保険使う型は1割で18〜20万/M。介護保険使う型は1割で16〜18万/Mくらい。誰でもやっかいになる可能性がある長期療養の為の病院がこんなに高い。私の給料じゃ療養型入れられない。
— 澪@カモミールの家の中の人 (@mio38795503) October 4, 2021
療養型病院には2種類あります。
- 介護医療院(介護保険を使います。)
- 医療療養型(医療保険を使います。)
医療療養型の方が介護医療院より高めです。今回は、医療療養型についてご案内します。
【memo】
内訳の違いについて。
【急性期・回復期】
限度額(治療費)+食費
【療養型】
限度額(治療費)+食費+居住費
(65歳未満は居住費不要。)
※18~20万(上のツイート記載)までの差額がアメニティ代です。
居住費とは
参考(居住費について)
平成29年10月から医療療養病床に 入院する65歳以上の方の光熱水費の負担が変わります(厚生労働省HP)
計算方法
条件:75歳以上(後期高齢)1割
【memo】
式=限度額(治療費)+食費+居住費
限度額=¥57,600/月
食 費=¥460/食(経管栄養も食事扱い)
居住費=¥370/日
ここにアメニティ代(シャンプー・リンス・寝間着・オムツ等)が加わります。
- アメニティ代は病院ごとで変わります。詳しくはご希望の病院へお尋ねください。
- アメニティは持ち込み不可の病院が多数。
- 各種減免の適用がある場合はさらに減額されます。
各種減免の例
【医療療養病棟】
限度額適用認定証
難病医療費助成
重度心身障害者医療費助成
【介護医療院】
食費居住費負担割合証
参考
- 限度額適用認定証
- 食費居住費負担割合証
- 生活保護
- 社会福祉法人による利用者負担軽減制度
【元MSW解説】入所費用|平均は?安く出来る方法とその申請方法は?(当サイト。記事内に関連機関のリンクも貼ってあります。)
- 難病医療費助成制度
【元MSW解説】難病になった時|もらえるお金は?使える仕組みは?(当サイト他記事。記事内に関連機関のリンクも貼ってあります。)
- 重度心身障害者医療費助成制度
「重度心身障害者医療費助成制度について」(浜松市公式HP)
療養型病院の選び方は?
『介護医療院の方がちょっと安いなら介護医療院がいいです。』
・・・残念ですが、そういうわけにはいかないんです。(誰が決めたのかって?国です。私じゃありません。)
選ぶ時の考え方はシンプルです。国が決めたリストに該当する項目があれば医療療養病棟。該当しなければ介護医療院。
【memo】
国が決めたリストの一部
酸素療法 / 人工呼吸器 / 褥瘡処置(いわゆる床ずれ。創部の深さ・数に関する規定有り。) / インスリン(回数規定あり。) / 中心静脈栄養 / 気管切開 / 透析 / 頻回な痰吸引(回数規定あり。大体8回くらいから。)・・・・など。詳しくは【「療養病棟」博愛病院(鳥取県米子市)HP】参照。
考え方自体はシンプルなんですが、今どんな医療行為をしているかというのは、中々分かりにくいものです。このあたりは病院の相談員さんやかかりつけの先生に相談してみましょう。
その他の検討項目
- 費用(日用品部分で病院ごとに差が出るため。)
- 日用品の持ち込み可否(持ち込むことで費用軽減の可能性あり。)
- 面会の体制(面会方法・時間・頻度)
- 入院費の支払い方法(引き落とし・振り込み・窓口払い)
- 通いやすさ
急性期病院や回復期リハビリテーション病院等に比べて、物品の依頼で病院へ向かう頻度は非常に少なくなります。しかし、今後面会制限が緩和されてきた時のために行きやすい病院を選ぶ方も多くいらっしゃいます。支払い方法も、ご本人の口座から引き落としというパターンが多い印象です。基本引き落としという体制の病院でも、引き落とし手続きが完了するまでは窓口払いという場合も。
注意
- このリストはあくまでも目安です。
- リストの項目に該当しない場合でも受けてくれる医療療養病棟もあります。
- 気になる病院があれば、まずは相談してみることをおすすめします。
参考
気になる病院との相談方法・転院までの段取りは「【元MSW解説】入所費用|相場は?入所前に確認するべき点は?」でご案内しています。転院直前〜転院日当日の流れは以下リンクをご参照ください。
本日のポイント |
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療養型病院は介護保険病棟と医療保険病棟の2種類。国が決めた入院基準がある。 |
2種類とも18〜20万/Mくらいだが、介護保険病棟の方が若干安価の場合が多い。 |
減免制度は複数ある為、該当になるか確認が必要。 |
療養型病院は、治療終了後にも医療的ケアが必要な方を受け入れる病院。 |
いかがでしたでしょうか。ご質問等は「お問い合わせ」ページより承っております。