9月14日に開催された第5回ヤングケアラープロジェクトチームの会議。議事録が掲載されましたので、話の内容を整理していきます。それでは参りましょう!
第5回ヤングケアラープロジェクトチームの内容
【今回の内容】
①ヤングケアラー支援への予算について
②漫画「リエゾン」関係者からのヒアリング
予算の話は「【詳報】ヤングケアラー 支援|令和4年度の予算配分が見えてきた。」で紹介していますので、ここでの説明は省略致します。

漫画「リエゾン」関係者からのヒアリング ー大事なことは?ー
内容は大きく分けて3つでした。
- ヤングケアラーをテーマにした経緯。
- 何に注意して描いたか。
- 今後のヤングケアラー支援に対する要望。
こんなに綿密に考えてくださっていたのだと知り、大変驚きました。議事録内の発言から数点取り上げてみたいと思います。
普及啓発の方法・留意点
「ヤングケアラーの問題をあまりにも軽く書き過ぎると、問題が過小評価されて、広く周知されなかったり、現実を反映していない、甘いフィクションになったりすると思うのですけれども、反対にあまり深刻に書き過ぎると、ケースとして少数派になってしまうので、広く現実を拾えなくなってしまう(以下略)」
ヤングケアラープロジェクトチーム 第5回議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000837347.pdf
取材を受けていると結構あります。「インパクトのある画を撮りたい。」というリクエスト。ただ、行き詰まった本当に上位の数%の域を見て「私はまだここまでじゃない。」と思ってほしくない。
反対に「単なるお手伝い」という反応を増やしてもいけない。バランスの取れた発信が重要だと再度認識した次第です。
継続的な関わり
「自分で世話をするとか面倒を見るということももちろん一つの選択肢だと思うのですけれども、福祉を利用したり、いろいろな制度を利用したりして負担を減らすことができるということも一つの選択肢だと思うので、そういった選択肢を知った上で家族のケアをどうするのかということを選ぶことと、全く知らずに現状維持になってしまうこととは全く違うと思いますので、ヤングケアラーの問題に対して周知するときには、そういう子どもに対していろいろな選択肢を常に提示し続けることが大事」
ヤングケアラープロジェクトチーム 第5回議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000837347.pdf
最後の「選択肢を常に提示し続ける」という点。特に、「常に」という言葉。
ある時点での意向も状況によって変わる可能性がある。1回支援がいらないと言われても、それで関わりを終わりにしてはいけない。長期で切れ目なく関わっていくことが求められていると思います。
専門職ですら調べながら対応していることを、家族が自前でやっているという現状があります。各種制度が申請制になっている状況を考えると、継続的な選択肢の提示は重要なことだと思います。
認知度の向上(一般・専門職)
「ヤングケアラーに対しても、子どもが家の家事をすることは当たり前だとか、昔からそういう子どもはいっぱいいたとか、そういう声が比較的多かったので、もし子どもがSOSを出したときにそういう大人に当たってしまって、そんなことぐらい当たり前だと言われてしまったら、子どもはなかなかSOSを出せなくなると思いますので、大人の受け止め方の認識を変えるという意味でも、周知をすることは大切だと思いました。」
ヤングケアラープロジェクトチーム 第5回議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000837347.pdf
つい先日も取材を受けて記事にして頂いたんです。その時にもやはり一定数ありました。「昔からそういう子はいっぱいいた。」という反応。最近はもう耳がちくわになったし、何とも思いません。まだその程度の認知度なんだなと思うくらい。でもこれ、当事者だったらそんなこと言われたら泣きます。
数多いる専門職の中で、誰と出会うかで人生が変わるのは悔しすぎます。国が力を入れると言っている「研修・普及啓発」。ぜひとも早急にお願いしたい次第です。
いかがでしたでしょうか。お時間許す方は、是非議事録全文をお読み頂ければと思います。【リエゾン】の関係者の方の熱量が伝わってきます。本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。今後も経過を追っていきたいと思います。
*おまけ*
文科省の丹羽副大臣は同じ講談社の週刊モーニングがお好きで毎週読んでいらっしゃるそうです。
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