傷病手当金(しょうびょうてあてきん)という名前、ご存知ですか?本日は、治療で働けない期間が続く方の強い味方、「傷病手当金」のご案内です。それでは参りましょう!
傷病手当金(しょうびょうてあてきん)って?
【本記事の対象とならない方】
国民健康保険・後期高齢者医療保険・ご家族の扶養に入っている方・社会保険の任意継続の方・業務中/出退勤中に発生した事由により療養している方(←これは労災扱いになります。)健康保険の適用外の治療をされた方
※傷病手当対象外の為本記事の対象となりません。
※社会保険に加入している方、ご覧ください。
※パート・正規などは問いません。
傷病手当金の説明
全国健康保険協会(協会けんぽ)のサイトの説明はこんな感じ。
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/ (R3.9.18取得)
傷病手当金とは、病気や怪我で休んだ時に支給されるお金だと言っています。
ちなみに、そう言っているのは〈全国健康保険協会:通称協会けんぽ〉です。お手元の保険証の下の方をご覧頂くと、〈全国健康保険協会〇〇支部〉と書かれている方もいると思います。全国健康保険協会は、社会保険(略称:社保・しゃほ)に分類される有名な保険者です。
いろいろな条件
〈いつから支給されるの?〉
病気やけがで休んだ期間の中で、最初の連続する3日を除き4日目から支給。
最低4日連続休んでいることが条件。
最初の連続する3日は有休でも公休でも病欠でも何でもOK。
〈受給できる期間は?〉
【R2.7.1以前からの受給者】
支給を開始日から数えて1年6ヵ月。
貰い始めた日から1年6ヶ月の間に給与の発生した日があっても、その期間も受給期間の1年6カ月の中に含まれる。
1年6ヶ月経過後は仕事に復帰できなかったとしても、傷病手当金が支給されない。
【R2.7.2以降からの受給者】
支給期間のみを合計して1年6ヶ月。
これまでは、不支給の期間も1年6ヶ月の間に含めていたが、支給期間のみを合算して1年6ヶ月受給可能となる。
他の金銭支援との兼ね合い
③金額の調整
4日目以降有休で休む場合は、傷病手当が減額される/もらえない可能性あり。
有休やその他会社の制度を全て使い終わった後から貰い始める方が多くもらえる。
→その分お金が保証される期間が延びる。
その他、各種公的年金との兼ね合いで支給額が減る可能性あり。
- 申請してからお金が支給されるまではある程度時間を要します。早いと2週間後くらいから支給されることもありました。加入する健康保険によるので、保険者(組合・協会けんぽ)さんへお問い合わせください。
- 1ヶ月後という方もいましたので、早急なご準備をオススメします。
※退職時点で健康保険に加入している期間が継続して1年未満の場合は、退職と同時に傷病手当金の支給が停止されます。加入期間が継続して1年以上あれば、病状次第で退職しても継続して傷病手当を受給出来る場合があります。
支給期間の考え方について(R4.1.1付)
いくらもらえるの?
傷病手当金の金額は、およそ給与の2/3のくらいのイメージです。
詳しい計算方法はこちら↓

傷病手当金の申請方法は?必要書類は?
ここでは全国健康保険協会(協会けんぽ)を例に挙げてご案内致します。
必要な書類は?
【必要書類】
基本は4枚綴りの申請用紙。(協会けんぽHPへ)A4サイズで印刷してください。書き方は「健康保険傷病手当金支給申請書 | 申請書 | 全国健康保険協会」を参考にしてみてください。
- 被保険者記入用×2
- 事業主記入用×1
- 療養担当者記入用×1・・・・・・これで合計4枚。
オススメの作成手順をお伝えしておきます。
これを1番に病院へ提出。医者の診断書みたいなものです。
被保険者記入用の中に、病院が判断する内容を書く欄がある為です。
療養担当者記入用と同時進行でも良いと思います。
澪さんが担当してきた患者さんの中には【労務不能と認めた期間や初診日、傷病名】を聞かれた場合もありましたが、事業主記入用を作成する上では不要な情報です。
療養担当者記入用を受け取り次第完成できます。
4枚綴りの2枚目の上半分『申請内容』の欄は、療養担当者記入用に書いてあるように書いてください。
保険証の下のほうに「〇〇県支部(都道府県支部)」と記載されています。
分からない場合は職場にどこの支部か確認してみましょう。
- ※組合保険に加入している方は、必要書類を組合/職場から取り寄せが一般的です。ホームページからダウンロード出来ることもあります。職場の担当者の方にご確認ください。
- ※療養期間が長くなる場合は、その都度申請が必要になります。
- ※給与の補填ですので、1ヶ月ごと申請される方多い印象です。申請のスパンは決まっていません。
申請方法は?
全国健康保険協会(協会けんぽ)の方は加入している各支部へ書類をご提出ください。組合健康保険の方は、組合宛の提出が一般的です。(※最終的には職場担当者の指示を仰いでください。人事・総務等。)
自分がどの保険に加入しているか分からない・・・という方は、「【70歳未満の方必見】元MSWが入院費の計算方法を教えます。」を参考にご確認ください。


病院スタッフの皆様へ
ご依頼がありましたら、この書類を印刷して患者さんにお渡し頂けますと幸いです。印刷はA4片面でお願い致します。(全部で4枚出てきます。白黒です。)
他に使えるものが無いか調べてみましょう。
有名どころは有給休暇です。
しかし、有給休暇以外の会社独自の休暇制度を設けているところもあります。
- どんな休暇が
- 何日残っているか
- 必要な書類は何か
- いくらもらえるのか



本日のポイント |
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私病(労災以外)で長期休業の場合は傷病手当が使える。 |
傷病手当は会社ではなく加入している健康保険からの給付。 |
傷病手当の申請の為には、病院・事業所・本人が書類を作成する必要がある。 |
長期休業する場合は、有給休暇以外にも会社で使える休暇制度がないか確認。 |
いかがでしたでしょうか。ご質問等は「お問い合わせ」ページより承っております。併せてご本人様の早期の回復をお祈り申し上げます。
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