本日はヤングケアラー支援についた予算の内訳についてです。厚生労働省・文部科学省共同のヤングケアラー支援プロジェクトチームの資料を整理します。現在進行形で進む支援の進捗についても随時追記して参ります。時々覗きに来て頂けますと幸いです。
第5回 ヤングケアラー支援プロジェクトチーム 会議概要
〈議事次第〉
①ヤングケアラーの支援に関する令和4年度概算要求等について
②漫画「リエゾン ―こどものこころ診療所―」 原作者:竹村優作氏、漫画家:ヨンチャン氏 ヒアリング
本日の参考資料
「ヤングケアラーの支援に関する令和4年度概算要求等について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000831374.pdf
【令和4年度 概算要求】概算要求って?
「〇〇をやりたいからこれくらいお金ちょうだい。」
と、こんな具合で各省庁が財務省にお願いすることです。
概算要求提出後の流れ
提出期限は前年度の8月末。宛先は財務省。
総額の基準が決まっているので、各省庁は、その範囲内で何にいくら使いたいか考えます。
全省庁の希望通りに調整していたらいくらお金があっても足りません。したがって、財務省が各省庁の意向を調整します。調整した結果を〈予算案〉と呼びます。
前年度の年末に予算案が出ます。内閣総理大臣をはじめとする各国務大臣(例:財務大臣・外務大臣)が参加する会議で予算案の最終調整をします。
1月中旬〜下旬くらいが通常です。
衆議院→参議院の順番で審議されます。
概算要求についてもっと詳しく
【令和4年度】ヤングケアラー支援 | 予算案が閣議決定された。
(追記:2,Jan,22)
2021年12月末、令和4年度の予算案が閣議決定されました。この記事で照らし合わせると、【2-1今後の流れ】の中のSTEP3の部分です。(参考:「令和4年度社会保障関係予算のポイント(財務省)」2,Jan,22取得)
(4)子ども・子育て
① ヤングケアラーについて、自治体による実態調査・研修や、コーディネーター の配置・ピアサポートなど自治体の先進的な取組を支援するとともに、当事者団 体や支援団体のネットワークづくりを支援する。
「令和4年度社会保障関係予算のポイント(財務省)」(2,Jan,22取得)
〈3年度:1,735 億円→4年度:1,731 億円〉
〈子ども・子育て〉の項目には複数項目が含まれています。その中の1つが、枠内に記載した文面で、ヤングケアラーへの言及はこの文章のみです。財務省発表の資料にはヤングケアラー支援単体での予算は記載されていません。したがって、ここでお伝えしている予算額は〈子ども・子育て〉項目に含まれる全項目を合わせた予算となっています。

ヤングケアラープロジェクトチームの共同議長(山本博司議員)のホームページに具体的な内訳が掲載されています。リンクを添付致しますのでぜひご覧ください。(公式資料を見つけられ次第、そちらのリンクを添付致します。)以下山本議員のホームページより引用しております。
(※概算要求段階の希望額→予算案として提示された額 )
山本博司参議院議員公式「ヤングケアラー支援へ!」令和3年度補正予算・令和4年度予算案」(26,Dec,21最終更新)
〇ヤングケアラー実態調査・研修推進事業(364億円→212億円)
ヤングケアラーの支援体制強化のための実態調査または福祉・介護・教育等の関係機関職員がヤングケアラーに ついて学ぶための研修等を地方自治体に対しての財政支援
〇ヤングケアラー支援体制構築モデル事業(364億円→212億円)
①ヤングケアラーコーディネーターの配置
②オンラインサロンの運営・支援
③ピアサポート等の相談支援体制の推進
〇ヤングケアラー相互ネットワーク形成推進事業(0.1億円→0.1億円)
表面化しにくいヤングケアラーの孤独・孤立を防ぎ、継続した相談・支援体制を構築するため、民間団体等で全国規模のイベントやシンポジウム等を開催し、地域ごとの当事者、支援者同士の相互交流を促すことにより、ヤングケアラーの相互ネットワークの形成を図る。
〇児童虐待防止対策推進事業委託費(2.1億円→2.1億円)
ヤングケアラーについて、令和4年度から3年間を「集中取組期間」とし、ヤングケアラーの社会的認知度向上に集中的に取り組むこととしており、年間を通じて、様々な広告媒体を活用した広報啓発を行い、社会的認知度を高めることをもってヤングケアラーの普及推進を行う。
合計426.2億円(令和4年度予算案)を計上している計算です。概算要求の段階(STEP1)からは304億円の減額となりました。詳細の内訳は以下のリンクでご覧頂けます。
【令和3年度】ヤングケアラー支援 | 補正予算が成立。
〇子育て訪問支援臨時特例事業の創設(新規:602億円)
山本博司参議院議員公式「ヤングケアラー支援へ!」令和3年度補正予算・令和4年度予算案」(26,Dec,21最終更新)
事業概要:訪問支援員(仮称)が、家事・育児等に対して不安・負担を抱えた子育て家庭、ヤングケアラー等がいる家庭の居宅を訪問し、家庭が抱える不安や悩みを傾聴するとともに、家事・育児等の支援を実施することにより、家庭や養育環境を整え、虐待リスク等の高まりを未然に防ぐ。
支援対象:家事・育児等に対して不安・負担を抱えた要支援家庭及び支援の必要性の高い妊産婦
支援内容:家事支援、育児支援
緊急時等に、当初の予算に追加したり変更したりする場合があります。追加・変更を行うものを補正予算といいます。つまり、枠内記載の事業は昨年度末には予定されていない事業だったということです。この訪問事業は、当初令和4年度の概算要求に含まれていましたが、令和3年度の補正予算に組み込まれた形です。
【ヤングケアラー支援】地方自治体の事例と現在の進捗
地方自治体等の事例



取り組んでいるのは埼玉県だけではありません。
【群馬県】
「高崎市のヤングケアラーは高崎市で守るという決意で取り組む」という市長の意気込みをぜひご覧ください。
「ヤングケアラー支援ガイドラインの策定について(山梨県)」
「ケアラー支援の相談窓口(北海道:栗山町)」
「ケアラー支援条例(仮称)素案の概要(北海道)」
「ヤングケアラー対策事業(栃木県:佐野市)」
「SNSを利用したヤングケアラーの支援(鳥取県)」
さらなる〈認知度・実態調査〉
17,Sep,21
〈今後の展望〉
令和2年度には、中学2年生・高校2年生への調査をしています。
これを、小学生及び大学生へ拡大。
そして一般(専門職以外)の方への認知度調査を実施する予定です。
一般の方への認知度調査は例がありません。(2,Jan,22時点)



個人的には5~6年前に比べたらだいぶ認知度は上がっていると思いますが、一般の方への調査でどのような結果が出るのか大変興味深いです。
ヤングケアラー実態調査の進捗(5,Jan,22時点)
5,Jan,22追記
〈大学生・小学生への調査を開始。〉
大学生への実態調査
2021,12〜 対象:全国約400大学の3年生
質問:進学・就職活動
小学生への実態調査
2022,1〜 対象:全国約350校の6年生
質問:登校への影響・睡眠時間等
参考:「ヤングケアラー」小学生対象に初の実態調査へ 厚生労働省(NHK:31,Dec,21)
いかがでしたでしょうか。今後も随時進捗を更新して参ります。引き続き宜しくお願い致します。ご質問等は「お問い合わせ」ページより承っております。