厚生労働省と文部科学省共同のヤングケアラープロジェクトチームも一旦最終回(次回は9/14。)本日はとりまとめ報告の回を取り上げます。この後もこの会議は続きますが、一旦どんな方向性で落ち着いたのか。それでは参りましょう!
【今回の報告の項目】
①ヤングケアラーを早い段階でみつける為の取り組みについて
②ヤングケアラーをどう支援するか
③ヤングケアラーの認知度をどうやってあげていくか
これらを、1つずつ分けてご案内します。
ヤングケアラーを早い段階でみつける為の取り組み
ヤングケアラー × 学校
かなりざっくりですが、こんな感じです。↓
①学校関係者が一丸となって子どもを見守っていきましょう
②ヤングケアラーをもっとよく知っていきましょう
ヤングケアラー × サービス提供者・医療現場
①ヤングケアラーに関する情報提供があった場合の連携の取り方を国が考えます。
→これには個人情報の取り扱い方も含まれます。(早めにお願いします。)
②関係する専門職が、ケアの担い手について把握していきましょう。
→子どもがヤングケアラーという認識がない場合もある為です。
ヤングケアラー × 地域
医療や福祉とつながっていない子どもが多くいます。
そのような子ども達との関わり方を考える必要があります。
ここで言う「地域」とは
①こども食堂 / ②児童委員 / ③学習支援 など。
使えるものはとことん活用というイメージで良いと思います。
その他、「埼玉県で取り組んだ県独自の調査のように、各自治体でも積極的に調査を進められるように、国が支援します。」という内容の記載もありました。
ヤングケアラーをどう支援するか
相談を受ける体制を整える
相談窓口の設置やヤングケアラー同士で話ができる環境を望む声があったので次のように対応しますという内容です。
国は、各地方自治体が行う、支援者団体等を活用したピアサポ ート等の悩み相談を行う事業の支援を検討する。
とりまとめ報告 https://www.mhlw.go.jp/content/000780549.pdf
「自治体がやる事業の支援を検討します。」ということです。
まだ、希望する声はとりあえず国に届いたようだ、という段階ですね。
手段は、対面・電話・SNSなど幅広くとのこと。
その他就労支援に関わるハローワークスタッフとの連携の話も出ていました。
スクールソーシャルワーカー(SSW)の活用
学校で、支援を必要とする子どもの存在に気が付いた時と対応方法についてです。
先生だけで支援するのは限界があるので、必要時各種サービスにつなぎましょう。
つなぐ際は、SSWを有効活用しましょう。国はSSWの配置支援を進めます。
こんな具合です。国がする配置支援って何かなという点は少し気になります。
(とりあえず正規で雇うくらいはしないと人増えないよ。)
サービス調整の際の注意点を周知する
「子どもが主たる介護者となっている場合には、子どもを「介護力」とすることを前提とせず、居宅サービス等の利用について十分配意するなど、ヤングケアラーがケアする場合のその家族に対するアセスメントの留意点等について地方自治体や関係団体に周知を行う。」
とりまとめ報告 https://www.mhlw.go.jp/content/000780549.pdf
色々書かれていますが、
関係先に、「サービス調整の際には、子どもに負荷がかかりすぎないよう充分注意してください。」と伝えますよと。そんな感じです。
幼いきょうだいをケアするヤングケアラーへの支援
この項目はこんな内容でした。↓
①「幼いきょうだいをケアする子どもがいることが分かってきたので、支援が必要なひとり親家庭に対する生活支援を進めます。」
②「ヤングケアラーがいる家庭など困難な状況にある家庭に対する家庭支援の在り方を検討します。」
ひとり親家庭の子どものヤングケアラー率が高かったことが理由のようです。
とにかくまずひとり親家庭とのこと。
両親揃っていても大変ですので、②の方も早急な対応をお願いしたい次第です。
ヤングケアラーの社会的認知度の向上
専門職以外にもヤングケアラーを知ってもらう。
①各種媒体で(パンフレット・広告等)で広報する。
②イベント開催(フォーラム等)で認知度向上を図る。
専門職にヤングケアラーを知ってもらう。
ヤングケアラーについて相談を受けた際に相談者が門前払いやたらい回しにならないよう専門職間での認知度向上を目指す。その為に研修の機会を増やす。
たらい回しや門前払いになる理由は知識だけではないと思うけど、でも知識がないと話が進まないので学ぶ機会は必要だと思います。(ちなみに、「門前払い」も「たらい回し」も報告書そのままです。)
相談に行っても程よく断られ続けたことを思い出します。
知識の他は、やっぱり体制・時間・お金ですかね。
現場に負荷がかかると門前払いもたらい回しも頻発するので。
当事者活動をする団体・支援団体の活動を活用する。
「国においては、当事者活動も活用しながら、ヤングケアラーについて社会的認知度の向上を図る。」とのこと。『当事者は駒じゃありませんよ』と思いましたが、発信源は多いに越したことはありません。(ちょっと捻くれてました。すみません。)
ヤングケアラープロジェクトチームの報告で気になったこと。
法令上の定義はないが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている児童を指す。
とりまとめ報告 https://www.mhlw.go.jp/content/000780549.pdf
これはヤングケアラーとは?という話です。
家事や世話をしていなくても、ケアを受けている家族の影響を受けている子どももいるだろうなと。
相談体制を整備するときはその対象があまり厳格にならないことを期待したいと思います。
あとはこれ↓
「子どもの中には家族の状況を知られることを恥ずかしいと思ったり、家族のケアをすることが生きがいになったりしている場合もあることに留意する必要があり、支援を行う際には、まずはしっかりと子どもの気持ちに寄り添い、支援が必要なのか、どのような支援が欲しいのか等について聞き取ることも重要(以下略)」
とりまとめ報告 https://www.mhlw.go.jp/content/000780549.pdf
「周知・広報を行う際には(中略)「ヤングケアラー=悪いこと」というメッセージとならないよう留意する必要がある。 」
とりまとめ報告 https://www.mhlw.go.jp/content/000780549.pdf
支援を望む子どももいれば、その反対の場合もある。
「子どもにとって【ケア】がどんなものなのかを見極め、支援の必要性からしっかり検討しましょう。」
「【ヤングケアラー=悪いこと】という広まり方にならないように充分注意しましょう。」ということ。
間違って広まると相談しにくくなるので、是非宜しくお願いします。
いかがでしたでしょうか。資料が公表されている回まで取り扱いきりました。次回が明後日(9/14)ですので、明日は別のお話を致します。本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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