厚生労働省と文部科学省共同のヤングケアラープロジェクトチーム議事録シリーズ第4回。いよいよ、「次回の取りまとめに向けて」という段階まで来ました。それでは参りましょう!
第4回のヤングケアラープロジェクトチームの概要
第4回は、「次回こんな感じで報告をします。よろしいですか。」「OKです。」という内容でした。「こんな感じ」については「元ヤングケアラーが読む。|ヤングケアラーPTのとりまとめ報告。」でお伝えしています。
ここでは、山本厚労副大臣が「特にこだわった」とお話しされたポイントをご紹介します。
子どもたちの悩み相談環境の整備
子ども自身が矢面に立って相談したり、サロンに足を運んだりすることには、心理的ハードルが高い為、SNSで匿名で参加できるサロンの整備を積極的に支援し、 居住地を問わず悩みを共有できる環境を一刻も早く作る。(意味が変わらない範囲で要約しました。)
「一刻も早く」という言葉は、そのまま山本副大臣のご発言からお借りしました。ケアの中で、心理的ハードルは忘れられがちですが、それをどのようにクリアするかも非常に重要だと思います。
店中ピンクの紳士服店。入りにくくないでしょうか。
医療も福祉もそういう考えが遅れている気がします。
出向く形(=アウトリーチ型)の支援体制の整備
対象者が子どもであり相談窓口で待っているだけでは支援が届かないという課題がある。このため、ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーなどの専門職によるアウトリーチ型(待っているのではなく、専門職側から出向く方法)の取組を進める。 (意味が変わらない範囲で要約しました。)
相談窓口に行くというハードルは意外と高いものです。
- 知らない人に説明をする心理的ハードル。
- 交通手段と出向く費用。
- ほとんどの窓口は平日のみの対応。
「ケアじゃなくて学校を優先しなさい」って言いながら、平日しか開いていない窓口に「窓口があるんだから学校を休んで相談に行ってこい」と言うのは違う。
副大臣こんなこともおっしゃってました。↓
「専門職の方には新たな負担をお願いすることになりますので、専門職の方が関係機関につないでいただく労に報いるような支援策を検討していきたいと思います。
第4回 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000786615.pdf
「労に報いる」という言葉が何を意図しての言葉なのか現時点(2021.9.11時点)ではまだよく分かりません。「労に報いる」方法として思いつくのは診療報酬の制度内にヤングケアラー支援を組み込むことくらいですが、詳細が不明の為、続報を待ちたいと思います。
第2報:2021.11.16 追記
中央社会保険医療協議会内でヤングケアラー支援の議論が本格的に始まりました。ヤングケアラーへの支援をした際に、加算を取る方向で方針を示しました。以下参考記事です。議事録が出ていないので現時点では新聞記事及び議会の資料のリンクを貼るのみと致します。
【memo】
中央社会保険医療協議会「入院」
毎日新聞『中医協でヤングケアラー支援議論 「社会資源の活用、連携が必要」』
日本経済新聞『病院でヤングケアラー支援 報酬加算へ 孤立化解消向け』
幅広い対象者への支援体制の整備
「18歳以上の若者の就労支援や幼いきょうだいをケアするヤングケアラーがいる家庭に対する支援、例えば訪問型の家事・子育て支援などが考えられると思いますけれども、こういったこれまでのヤングケアラー支援のイメージよりも幅広い対象者への支援策を盛り込ませていただきました。」
第4回 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000786615.pdf
9/9の予算の記事でちらっと書いたヘルパー派遣事業のことと思われます。
(何の話だという方。↓の記事でご覧頂けます。)

そして、そんな国の動きをすっ飛ばして動き始めているのが群馬県高崎市。詳細は「【全国初】ヤングケアラー支援|ヘルパーの無料派遣を決定(高崎市)」をご覧頂き、「高崎市のヤングケアラーは高崎市で守る、という決意で取り組んでいきたい。」という高崎市長の熱いメッセージを受け取ってください。
いかがでしたでしょうか。ご質問等は「お問い合わせ」ページにて承っております。
【本日の参考・引用文献】
1 :プロジェクトチームとりまとめ報告概要(案)
2 :プロジェクトチームとりまとめ報告(案)・議事録
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