厚生労働省・文部科学省共同ヤングケアラープロジェクトチームの議事録シリーズ第3回。昨日厚生労働省のホームページを見ていましたら第5回が開催されるとのことでそちらも様子を見守っていきたいと思います。本日も、議事録を追いながら拙い語彙力を駆使して呟いていきます。それでは参りましょう!
第3回のヤングケアラープロジェクトチームの概要
今回のラインナップはこんな感じです。
①Yancle 株式会社 宮崎代表取締役
②精神疾患の親をもつ子どもの会「こどもぴあ」 坂本代表
③NPO法人 インフォメーションギャップバスター 藤木理事(弁護士)
④尼崎市教育委員会事務局学校教育部こども教育支援課 黒光スクールソーシャルワーカー
尼崎市こども青少年局こども青少年部こども青少年課 江上係長
今回は30ページ分のボリュームの議事録でした。
今回は当事者・支援者の報告の回となりました。
(昨日の27ページで息切れとか言ってる場合じゃなかった・・・)
報告の内容
Yancle 株式会社 宮崎代表取締役
Yancle 株式会社の事業内容や、ご自身の経験などを中心とした報告でした。
ケアラーの転職支援やコミュニティ(←案内のサイトへ飛びます。)作りをされている方です。
「早急に福祉につなげる必要のある人と、心理的ケアを必要としている人に分かれるのかなと思っています。」
第3回 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000783945.pdf
数あるご発言の中、1番印象に残ったのはこれでした。↑
どういった支援が必要だと思われますかと聞かれた時、私も「福祉へつなげることと話を聞いてもらえること。」と伝えます。そうするとがっかりされることが多いです。「話を聞くことですか・・・澪さん、他には無いんですか?」とそんな具合です。
話を聞くという私の言葉の使い方がまずかったのかなと思いました。
話を聞くということは立派な心理的ケアのうちの1つ。
そして、それは非常に技術を要すること。
「話を聞くだけしか出来ない。」という表現は多分違う。
それで相手が救われているのであれば、それは支えになっています。
精神疾患の親をもつ子どもの会「こどもぴあ」 坂本代表
そして、引き続き、話を聞いてもらえることの重要性を語ったのが「こどもぴあ」坂本代表。
「学校で家庭のことを相談できれば、子供が抱える負担が軽減されます。問題を解決してほしい気持ちもありますが、ただ話を聞いてくれるだけでも大きな救いになります。 学校での相談の経験は、抱え込まずに誰かに助けを求める、頼る練習にもなります。その後の孤立を防ぐ経験になると考えています。」
第3回 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000783945.pdf
問題が解決すればそれがベスト。でも、やはり解決出来ないこともある。
相談に対して悪いイメージを積み重ねると、周りに期待できなくなり、1人での解決を試みるようになる。そして、その結果「もっと早く相談してくれていたら。」と言われる事態に発展する可能性がある。
話を聞く。
解決しなくても、聞いてもらえた経験に価値がある。
個人的には、話を聞いてもらえたその経験が、その子の今後を守るお守りになるだろうと思っています。
最終的には、支援者との協力体制を整えた上で、ケア対象者とヤングケアラーが病気や状態について理解を深めることの重要性にも言及されていました。それが出来ると、万一状態が悪化した時に、状態と自分の頑張りを切り離して考えられるようになるとのお話でした。
心理的ケア、福祉面のサポート、知識の重要性について再認識させて頂いた報告でした。
発表資料はこちらから。
こどもぴあのホームページはこちらから↓
NPO法人 インフォメーションギャップバスター 藤木理事(弁護士)
今度は、聞こえないごきょうだいと一緒に育ってきたという藤木理事の報告です。
「押しつけ支援はよくないと思うのです。ただ、とにかく必要なときに支援が受けられるように、相談先や当事者団体があるということだけは知っておいてほしいなと思います。」
第3回 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000783945.pdf
【ヤングケアラー】という話題が取り扱われる時、とにかく否定的に扱われがちです。
取り上げられた内容を見て驚いた方も多いかもしれません。
(これが全てじゃないぞ・・・と思いつつ報道を見ています。)
でも、割と本人はけろっとしていたり辛いけどヤングケアラーという認識がなかったり、とにかく放っておいてくれ(←私はこれでした。)だったり色々な気持ちの子どもがいます。認識がない子どもであれば、支援を断ることがあっても何も不思議はありません。
1回支援を望まなかったからこの先もずっと支援が不要とは限らない。
自分のタイミングで支援を求められるよう、支援者や相談先に関する情報を広報することが急務だと感じました。
大都市中心に当事者団体がありますが、資金調達に苦労しているという話も聞きます。
その辺りの行政の支援が必要かもしれません。
関連サイトはこちら↓

尼崎市教育委員会・尼崎市こども青少年局 江上係長、黒光SSW
最後は、尼崎市の取り組みに関する報告です。
「(支援の)土台は、育児や介護を家族や母親だけの責任にしない社会、家族を孤立させない社会にすることだと私は思っています。これはすぐにはならないことだと思いますが、ここが変わらないと、ヤングケアラー問題だけでなく、虐待やひきこもり、不登校などの問題も減っていかないではないかと現場で実感しています。」
第3回 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000783945.pdf 黒光SSWの発言より一部抜粋。原文通り。
「育児や介護を家族や母親だけの責任にしない社会、家族を孤立させない社会にすること」
家族の数の減少、共働き世帯の増加。もう家族だけでケアするには限界の時期にきたと思います。
現在、尼崎市ではヤングケアラーを発見するためのアセスメントシートを作成することで、ヤングケアラーの早期発見につなげることができないかという話になっているそうです。
その他、尼崎市独自の取り組みとして、「いくしあ」の紹介がありました。
対象は0歳から18歳までの子。子育てに対する不安や発達の課題の相談・不登校・ひきこもりなどを、教育委員会の部門も加わりながら一つの施設でまとめて対応しているところとのこと。
あっちこっち回らなくて良いのは時間的にも体力的にも非常に助かります。
そんなところがあったのか・・・という方、是非上の「いくしあ」のところをクリックしてサイトをご覧ください。いくしあのホームページに飛びます。
尼崎市の発表資料4-1はこちらから。
尼崎市の発表資料4-2はこちらから。
いかがでしたでしょうか。3回目まで読み進めると、大事なことの共通項が見えてきた気がします。明日は第4回目。取りまとめ報告の内容を検討する回となります。場合によってはその次の取りまとめ報告と一緒に取り扱う可能性があります。ご容赦ください。本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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