厚生労働省と文部科学省合同ヤングケアラープロジェクトチームの議事録を読むシリーズ第2回目。今回は地方自治体の担当者からの聞き取りでした。前回と同様、議事録を読みながら拙い語彙力で澪さんがぶつぶつ呟いて参ります。それでは。本日も宜しくお願い致します!
第2回のヤングケアラープロジェクトチームの概要
第2回はこんな感じのラインナップでした。
①「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」とりまとめ報告
② ヤングケアラーの支援に向けた主な論点、課題の整理
③ 有識者からのヒアリング
(埼玉県福祉部地域包括ケア課 藤岡課長 / 埼玉県教育局市町村支援部人権教育課 有賀副課長 / 中核地域生活支援センターがじゅまるセンター 朝比奈センター長)
議事録27ページ分。本日も、もりだくさんです。
厚生労働省側が①・②の調査報告をした後、埼玉県と千葉の中核地域生活支援センターの報告がありました。
本日は、現場の方の報告を中心にお話しして参ります。
(息切れしそうなくらい多いけど頑張る。)
現場の方からの報告(有識者からのヒアリング)
埼玉県福祉部地域包括ケア課 藤岡課長
ケアラー支援条例(令和2年3月制定)の概要説明や取り組みの報告がありました
これは埼玉県議の方からの提案で全国に先駆けて制定された条例です。
県や事業所等の責務や、関係機関の役割等が規定されました。詳細はこちら。
埼玉県ケアラー支援計画の為に実施したヤングケアラー実態調査結果についても報告がありました。実施対象は、埼玉県内県立高校、市立高校、国立高校、県立高校定時制、市立高校定時制、私立高校 計193校に通う高校2年生です。回収率は、なんと86.5%。
気にかけて欲しかった、放っておいて欲しかった、同じ状況の人と話せる場所が欲しかった。
分かりやすく色々説明してくれるサイトがあれば。
これらの言葉は調査結果の自由記述の一部です。ご興味持って頂けた方には、是非他の生徒さんの言葉も厚生労働省のサイトに見に行って頂きたいと思います。思い出したくないこともあっただろうと思います。そんな中真剣に書いてくれたメッセージがたくさん記載されています。
これから埼玉県で実施を検討している事業の中に、オンラインサロンの運営があるとのことです。
埼玉県教育局市町村支援部人権教育課 有賀副課長
果たしてどんな業務をされている課だろうかと調べました。
人権教育について、企画や調整、教育方法についての指導や助言をしたり、人権教育に関わる研修に関することが主の業務のようです。(要約出来てますかね・・・)
ケアラー支援について児童生徒の人権を守るという視点での割り振りかと推察します。
有賀副課長からは、埼玉県ケアラー支援条例と埼玉県ケアラー支 援計画に基づき、ヤングケアラー支援に関して教育機関と福祉機関がどのように連携していくかという報告がありました。(尚、現時点での構想であり今後変更の可能性もあります。)
メインで検討中の事業は、福祉と教育両分野の合同研修とのことです。
学校への出張授業も計画しているとありましたが、恐らくこれは時差で既に実施されていると思われます。
ケアが基で学校での成績が下がってしまい、勉強に向かう本人のモチベーションが低下してしまったとして、学習に向かう指導を教員はいたしますけれども、 それはそれ、これはこれという感じで、家庭でのケアの役割の部分は頑張れという𠮟咤激励しかなかったということではないでしょうか。これは、教員にヤングケアラー支援の視点、あるいは理解がなかったからというふうに思っております。(第2回議事録より原文そのまま抜粋)
高校時代にこう考えてくれる先生がいてくれたら、私ももう少し楽しく過ごせたかもしれません。
目の前に私がいるのに1人だけいないように扱われたことも。今思えば中々えげつない。
でもほどよい感じで関わってくれる先生がいたことも事実。これはまた別の機会にお話ししようと思います。
中核地域生活支援センターがじゅまるセンター 朝比奈センター長
中各地域生活支援センターって何だ?というところからかと思います。
設置は2004年。(澪さん小学生。)
これは、千葉県独自の相談システムです。
最大の特徴は年齢や相談内容、障害の有無を問わず相談を受け付けること。
年齢を問わないというのは元病院のワーカーとしては感動ものです。
それはウチの管轄じゃないから〇〇へ行ってと言われ続けてきた元ケアラーとしても。
首を縦にぶんぶん振りながら議事録を読んでいました。
医療や福祉、行政機関はその家族の中でキーパーソンは誰かというふうに捉える習性がありまして、それは私もそうですけれども、そのキーパーソンとしての役割を担わされているという状況があります。
第2回プロジェクトチーム 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000772522.pdf
子どもたちは、家族や関係機関から当てにされます。当てにされるんですけれども、その子たちが誰かを頼って助けてもらえた経験は逆にとても少ないというふうに感じます。
第2回プロジェクトチーム 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000772522.pdf
自尊感情が低下をしている例がとても多くありますので、この家族の中で当てにされる。役割を持てるということ、そこにアイデンティティーを見出したりして、その役割から逃げられなくなってしまう状況にもなっています。
第2回プロジェクトチーム 議事録 https://www.mhlw.go.jp/content/000772522.pdf
1個目は元病院MSWとして。2個目、3個目は元ヤングケアラーとして取り上げてみました。
遅刻や早退で怒られてばかりの生活の中、介護している時だけは自分の存在を認めてもらえた。
だからそこから離れることに恐怖すら感じました。
そんな私に離れろと言ってくる先生は、あの時の私にとっては、もはや敵でした。
当てにされるのに、いざという時に助けてもらえたことはほとんどない。
「もっと早く相談してくれたら。」という言葉、聞くことありませんか?
助けてもらえない経験を積み重ねたら誰だって相談する気力を失います。
だから、早期発見と早期の対応が必要です。
「今更何ですか?」となる前に。(←これ言っちゃったんです。私。)
ただし、子どもそれぞれに望む対応方法があることに注意する必要があります。
(私は、どかどか踏み込まれて担任と部活顧問との関係が崩壊しました・・・)
最後にこのようなご指摘がありました。
「制度や専門職の意識、それから慣行が家族に、より負荷をかけて追い詰めているのではないか。そこについても、きちんと意識的に取り上げていく必要があるのでは(以下略)」
キーパーソンの件について、訳もなくそれをお願いしているわけではありませんでした。
でも、そろそろ専門職側の認識を変えていく時に来た気がします。
いかがでしたでしょうか。明日は第3回の議事録を読み進める予定です。
【おしらせ】5/17の取りまとめをもって一度止まっていたプロジェクトチームが、この度再開するとのことです。一般の方もオンラインにて参加可能となっております。詳細は厚生労働省のホームページをご参照ください。
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