取り上げるのをすっかり忘れていたヤングケアラープロジェクトチーム(ヤングケアラーPT)のお話。昨日と同様、国が公表した資料を整理する合間でぶつぶつ個人的見解を呟いていくスタイルでいきます。私の見解は中間報告ということでご理解頂けますようお願い申し上げます。それでは参りましょう!
ヤングケアラープロジェクトチームのメンバーは?
このプロジェクトチームの正式名称はこんな感じ↓長いですね。
厚生労働省・文部科学省の副大臣を共同議長とするヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/young-carer-pt.html
私が学生の頃なんてどこの省庁が受け持つか、学校なら文科省だし福祉関連なら厚労省だし・・・なんてやっていたように思います。”そんなん両方でやったら良いやん”と思っていた頃を思えば、「厚生労働省・文部科学省の副大臣を共同議長とする」と言う言葉は嬉しい限りです。
メンバーはこんな感じです。
【厚生労働省】
共同議長 厚生労働副大臣 山本 博司
子ども家庭局長 / 子ども家庭局家庭福祉課虐待防止対策推進室長 / 健康局難病対策課長 / 社会・援護局保護課長 / 社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室長 / 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長 / 社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長 / 老健局認知症施策・地域介護推進課長
漢字ばかりになってしまいました。すみません。漢字アレルギーにはホント厳しい。
厚生労働省側の参加者が多いですね。児童福祉・難病・生活困窮・障害福祉・高齢者福祉。難病も入れてくれたんだと思いつつ、雇用系の担当者も入れて欲しかったなーなんて思いました。
学齢期の子たちが今回のメインだからかもしれないですが、高校卒業後に働く子だって多くいる。
そう思うと個人的には、雇用関係の担当者が参加する必要性を感じます。
後に書きますが、一応就労支援も検討してくれるみたいです。ホントぜひお願いします。
【文部科学省】
共同議長 文部科学副大臣 丹羽 秀樹
初等中等教育局長 / 初等中等教育局児童生徒課長 / 総合政策局地域学習推進課長
こちらはシンプル。副大臣以下2つの局から3名。
普段何をしている課なのか調べたところ、まあ色々やっている課でした。(冗談です。答えになってない。)
色々あった中で関係ありそうだったのは、先生たちへの研修内容や養成課程の検討業務。あとは学校現場での多職種連携のあり方について検討する課のようです。詳しくはこちら。(文部科学省の当該ページに飛びます。)
ヤングケアラープロジェクトチームで何を話しているの?
すみません。やっと本題。参考文献は最後に貼り付けます。
プロジェクトチームで挙げられている課題とそれに対する考えについてお話しします。
現状・課題
【現状・課題】
①関係機関 (福祉、介護、医療、学校等)におけるヤングケアラーに関する研修や地方自治体での現状把握が不十分。
②ヤングケアラーに対する支援策、支援につなぐための窓口が不明確。
③福祉機関の専門職等から「介護力」と見なされ、サービスの調整をしている場合がある。
④ヤングケアラーは、家庭内のデリケートな問題であることなどから表面化しにくい構造。
⑤ヤングケアラーの認知度が低く、支援が必要な子どもがいても、子ども自身や周囲の大人が気付くことができない。
③は福祉機関だけではなく医療機関の人間も認識を変えるべきだと思っています。
私も介護力とみなされてきました。
でも、病院で勤めて、それは明確な相談口が無いことも大きく影響していると知りました。
ヤングケアラーだった私が、ヤングケアラーを見落としたことだってあるかもしれません。
子どもは賢い。やらせれば出来るんです。
でもそれに期待しちゃいけない。
この課題の今後は、大人の知識量と良心と社会の理解にかかっていると思います。
何をしていこうと考えているの?
早期発見・把握
【早期発見・把握 】
① ヤングケアラーに関する研修の機会を増やす。 (福祉・介護・医療・教育等関係機関やボランティア等)
② 地方自治体における現状把握の推進。
②については、全国規模のものが実施されましたが、各自治体での独自調査も有効だと謳われています。
各地域ごとに色々な特性があるので(当地域はブラジル人の方が多くお住まいです。)、私も自治体独自の調査は必要だと思います。
具体的に何をやるのか。
【支援策の推進】
① 支援者団体による悩み相談を行う地方自治体の事業の支援を検討(SNS・オンライン相談等も有効)。
② ヤングケアラー支援の在り方について就労支援を含むモデル事業・マニュアル作成を実施。
③ ヤングケアラーの支援体制の在り方を検討。(関係する専門職や窓口機能の効果的な活用を含めて。)
④ スクールソーシャルワーカー等の配置支援。民間を活用した学習支援事業と学校との情報交換や連携の促進。
⑤ 家族介護において、子どもを「介護力」とすることなく、居宅サービス等の利用について配意するなどヤングケアラーが ケアする場合のその家族に対するアセスメントの留意点等について地方自治体等へ周知。
⑥ 幼いきょうだいをケアするヤングケアラーがいる家庭に対する支援の在り方を検討。
たくさん書かれていますが、平たく言うとこんな感じです。
就労支援を含めヤングケアラーの支援体制を考えて、マニュアル化します。
スクールソーシャルワーカーの配置支援をします。
民間各事業と学校の連携を進めます。
子どもを介護力とみなした介護プランを作らないよう配慮して貰いたいことと、その配慮の仕方について各自治体へお知らせします。
①は支援を検討となっていますが、ぜひ実現してほしいです。
支援団体が相談窓口を作るにはスタッフの人数・経費など自治体のバックアップが必要です。
その他、2022年度からの3年間をヤングケアラー認知度向上の「集中取組期間」とし、広報活動等(広報媒体の作成、全国フォーラム等)を通じて、社会全体の認知度を調査すると記載されています。当面は中高生の認知度5割を目指すとのことです。
本記事の参考資料は「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」にてご覧頂けます。(厚生労働省の当該ページでプロジェクトチームの議事録や、これまでの経過が確認できます。)
いかがでしたでしょうか。お問い合わせ等は「お問い合わせ」ページより承っております。